最終回そのA
 1 ・2

ピスキーがサウル遺跡地下要塞を走る
その背中には小さな1つの体が乗っていた
だが、もうその体は動かなかった
そして・・・・
2度と目を開ける事もなかった・・・・
「いぴ・・・・わしももうすぐ一緒にいくん」
「ぎふたん・・・・ごめん・・・・もう戻れないん」
「まさる・・・ぴなく・・・元気でくらすん・・・・」」
ピスキーは地下要塞の最深部へと近づいていった

★☆★☆★☆

エリアルは要塞の最深部へ達していた
同時に入ったはずのフィルンやアルディラ達の姿はそこにはなかった

「デルタ・・・・」
エリアルは目の前に見えるデルタに言った
「お前・・・魔王がお前を見放した今、何故ここまでグランに執着する!」
「前のデルタ、いや、魔族将軍だったデルタ様はこうではなかったはず!」
デルタはゆっくりと立ち上がった

「エリアル・・・そうか、お前・・・ギフの弟・・・」
「お前が・・・・」

「!何で・・・知っている・・・・兄に聞いたのか?」

「ふふふ・・・・あはははは」
「お前の兄ではない、我が娘に聞いたのだ」
「娘!?」
「そうか・・・聞いてないか・・・」
「なんだ!解らないぞ!娘って!?」
「そう、娘だ・・・」
「我が娘の名は・・・・」
エリアルは息を呑んだ
「グリア・・・・」
「!!!!!!!」
エリアルは今まで感じたことの無い衝撃を受けた
「お前が好きだった・・・グリアだ・・・・」
「グ、グリア・・・・・」
「エリアルよ」
「・・・・・・・」
「グリアが死んだ理由を知っておるだろう」
「・・・・」
「グリアはグラン王家に殺されたのだ」
「・・・・・・」
「私は・・・・私は確かにグランを滅ぼした」
「それも時空砲でな・・・・」
「だったら・・・だったらもういいじゃないか!」
「グリアだってそんな父親なんか望んでいない!」
「黙れ!お前に何が解る!」
「ぐ・・・解る・・・俺だって解る!」
「いいや、お前に私の気持ちなど理解出来るはずもないわ!」
「俺だって、俺だってグリアが好きだった!愛していたんだ!」
「大事な人を失ったのは同じなんだよ!!!」
「・・・・・・では・・・・何故・・・我らを裏切った」
「裏切ってなんかいない」
「俺は・・・・孤独に生きていただけだ」
「争いから遠のきたかったんだよ」
「では今からでも遅くない、我の力になれ!」
「そうすればお前は殺さん」
エリアルは少し考えた
「・・・・・」
そして答えた
「嫌だ・・・」
「何!?」
デルタは不快な顔つきでエリアルを睨みつけた
「嫌だと言ったんだ!!!!」
「おのれ・・・解った・・・・・」
「お前を殺して娘の居る場所へ連れて行ってやるわ!!!」

その言葉と同時にデルタは激しい光を放つ
そしてカオスの紫色の剣、フォクサーを抜いた
デルタはすごいスピードでエリアルを斬りつける
「死ねぇぇぇぇぇ!!!」
瞬時に反応したエリアルは呪文を詠唱した!!!
「グランドエフェクトフォースシールド!!!」
エリアルの前に大地の精霊がバリアを作る!!!
グアアアアアアン!!!
「何!?」
紫色の剣、フォクサーが精霊の作ったバリアを打ち壊した!!
「ぐあああああああ!」
エリアルはその衝撃で地面を転がった

★☆★☆★☆

ピスキーは大きな扉の前まで辿りついた
「多分・・・ここなん・・・・」
ピスキーは大きく深呼吸をする
そして背中で眠っているイピリアに話しかけた
「いぴ・・・おらが敵をとるん・・・・」
「でも・・・・」
「とれんかったらご免な・・・」
「そん時はいぴと一緒にいくから・・・・」
ピスキーはドアを思いっきり蹴った!!
と思った瞬間にドアが開く!
「え!?自動ドアなんか!!!!」
ピスキーは思いっきり空振りをして地面に転げた
そしてイピリアも地面に転げた
「痛たたたた!!!」
だが、ピスキーは部屋の中へと進入を果たした!!
一応・・・・
「ここまできて・・・・かっこわるいん・・・・」
ピスキーははっとイピリアを落とした事に気がついた
そしてイピリアが横たわっている場所に行こうとした時!
ピスキーに激しい衝撃が走った!
「な、なんなん!!!」
「敵?いきなりわしは死ぬんか!?」
だが死ななかった(ぇ
ピスキーに何かがぶつかったようだ
ピスキーはそのぶつかった物を確認した
「なんなん?」
するとそこには血まみれのエリアルが倒れている
「え、えりりん!?」
どうやらぶつかったのはエリアルだったようだ
「どうしてここにおるん!?」
だがエリアルには聞こえていない様子だった
いや、意識が朦朧としてまったく気が付いていないだけだった
エリアルはゆっくりと立ち上がる
「くそ・・・デルタ・・・・流石に強い・・・・」
エリアルは2・3度深呼吸をした
そして両手で何かの陣を目の前の空中に書いた
するとエリアルの目の前に巨大な魔方陣が現れる
「な・・なんなん・・・・」
ピスキーはおどおどしていた
エリアルは魔方陣に向かって両手の手のひらを向けた
「食らえ!!!」
「時空魔法!バーニングコメット!!!」
魔法を唱えた瞬間魔方陣が赤く輝いた
そしてその魔方陣から前方に向かって巨大な彗星が飛び出す!!
「ぶ!な、な、な・・・・」
ピスキーはあまりのレベルの高さに驚きまくった
そしてその彗星は前方へとうなりを上げて進む
「ど、どうだ!?」
エリアルは呪文詠唱を終わった瞬間に膝をついた
ゴオオオオオオオオオオオオン!!!
「な・・・・」
目の前で彗星が吹き飛んだ
「ぶ!彗星がなくなったん!?」
彗星はデルタの魔法によってかき消されたのだ
「ぐ・・・まじか・・・・デルタ・・・時空魔法も効かないか・・・」
エリアルは息を切らしながらデルタを見た
ピスキーも前方を見る・・・
奥ではデルタが不気味に微笑んでいた・・・

★☆★☆★☆

ピスキーから30メートルくらい離れた場所に紫に光る人物が見えた
「あ、あれがデルタなん・・・・・」
ピスキーは思った
駄目なん
これはわしでは勝てないん
ともかくいぴの所にいくん!
ピスキーはそそくさとイピリアの元へと走った
ダダダダダ!
その足音にエリアルが気がついた
「ま、まだ敵がいるのか!?」
エリアルは足音のした方向を見た
するとそこにはピスキーと・・・
その床には真っ青な顔になったイピリアが見えた
「え!?ピスキーさん?」
「そ・・・それに・・・い、いぴ!!!!!!」
エリアルは驚いた
そしてすぐさまイピリアの元へと走る!!!
だが!走り出したエリアルに数発の魔法がヒットした!
ボン!ボン!ボン!!!
「ぐぐ・・・」
エリアルは瞬時にシェルを唱えたが相当なダメージを負う
そしてその場に転げた
「くそ・・・・」
よろよろと立ち上がるとエリアルはイピリアとピスキーの元へと近寄った
「く・・・・いぴ・・・・・」
エリアルはようやくイピリアの元へと到着した
そしてイピリアを見た
エリアルの目の先にある物
そこには既に息のない小さい体
つい先日まで一緒に暮らしていた幼い女の子
そしてエリアルの大事な・・・・
「いぴ・・・・・」
エリアルの頭には走馬灯のごとくイピリアとの思い出が蘇った
・・・・・・・
・・・・・・・・・
えりあるさま!かえるでふ!おいしそうでふ!
こら!いぴ!蛙は食べるな!
ビク!
お前は人間なんだからそこらは自覚を持って・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・
自然とエリアルの目からは涙が零れる
「ピスキーさん・・・・いぴは・・・」

ピスキーはエリアルを見ながら泣き出した
「えりりん、ごめん、ごめん・・・・・」
「ピスキーさん・・・・・・」
「おらのせいで・・・・・おらが悪いん!」
「いぴはおらの身代わりになったん!」
「おらの代わりに死んだん!!!」
ピスキーはその場に泣き崩れた
「おら・・・うえぇぇん」
「・・・・・・・・・」
エリアルは立ち上がった
そしてデルタに向かって走り出した
「デルタ!!!」
「お前は解っているのか!!!」
「お前が体験したあの悲しみ!!!!」
「今、おまえ自身が多くの人間に与えている事を!!!!!!!!!!」
「そして、そして・・・・・俺は!俺は!お前を許さない!」
エリアルの体が怒りによって激しい炎に包まれた
デルタはエリアルに怒鳴る
「人間など全員死ねば良いのだ!」
「自分の事しか考えられぬ人間など!」
「そしてグラン王家の人間はこの世に存在する価値などない!」
「時空砲!あれこそが人間の悪の最終系なのだ!」
「エリアル!お前こそ何故人間の肩をもつ!」
「うぉぉぉぉぉぉ!!!」
激しい魔法力がデルタに集まる!!
そしてデルタの剣は大きな光の剣へと変化した!
「死ね!エリアル!!!」
光の剣はエリアルへ向かって振り下ろされる!!!!
「くされ!時空魔法!時空防御陣!!!!」
グイイイイイイイイン!!!!!
激しい衝撃音!
そしてエリアルの防御陣が打ち砕かれた!!!
剣の勢いはおさまっていない!
「く!」
カキーーーーン!!!
金属音が鳴り響く!
エリアルに確実にヒットするはずの剣が何者かに受け止められた!
「な、何だと!!!!」
デルタは1歩退く
エリアルは状況を確認した
するとエリアルの目の前にマーシャルの姿が
「えりりん!何やってるのよ!無闇に突っ込んでどうするのよ!」
「馬鹿!」
「ま、まさる!?何でお前が!?それに馬鹿はよけい・・・」
エリアルは驚いた
マーシャルが現れた事
さらにはデルタのあの凶悪な攻撃を受け止めてしまった事
ピスキーもマーシャルの姿に気がつく
「まさる!?」
デルタは息を切らしながらマーシャルを見た
「お、お前は何者だ!私の攻撃を弾くとは・・・ただの人間じゃないな!」
その瞬間!マーシャルの武具が光を発した!!
太陽剣Daystar から声がする
「デルタ!お前を倒す!我が姉メドゥサの為にも!」
そして守護の指輪Asterism から声が
「絶対ゆるさないんですよ!おねーちゃんの敵!!」
デルタはすぐに3姉妹だと解った
だが、3姉妹メドゥサは自分が南塔で殺害したはず
それによって武具の効果は失われているはず!?
何者が鎧の効果を・・・・
そして鎧が輝いた
「デルタ・・・あなたを許しません・・・・絶対に・・・・」
その声はデルタに聞き覚えがあった
この声は・・・・・女神・・・リリア?
「女神・・・お前か・・・・」
マーシャルのこの力の源は女神リリアの力であった
マーシャルは太陽剣を構える
「デルタ!私の街、私の世界、私の仲間、そして私の家族を守ってみせる!」

コツン、コツン
ピスキーの真横に人影が現れた
そしてピスキーにそっと手を差し伸べた
「だ、誰なん!?」
ピスキーはふと顔を見上げた
するとそこには・・・
ギフの姿が・・・
そしてシリウス、フィルン、アルディナ、レンファ、カミュ、タトラ、ポリアンサも居る
「ぎふたん!?それにポリアンサちゃんもおるん!?」
「ピスキ、よくがんばったよ・・・」
ぎふはピスキーにやさしく声をかけた
「ぎふたん・・・・」
一瞬うれしそうな顔になったがすぐにピスキーの元気はなくなった
「ぎふたん・・・・」
「いぴが・・・いぴが・・・・・・」
ギフはイピリアを見て小さく頷いた
「辛いと思うが今はデルタを倒す」
「それまでは辛抱してくれ・・・」
ピスキーは頷いた
レンファはピスキーの側にしゃがみこんだ
「ピスキーさん・・・・・辛いですよね・・・・」
「私たち・・何もしてあげれないけど・・・・・」
「敵は絶対にとってみせますから・・・」
その話の途中にアルディラがぼそっと肩の上で言った
「ふん、私はこういうのが一番苦手なのよね・・・」
「でも、流石にデルタって男は許せないわ!」

★☆★☆★☆

シリウスがアイスハンダーを手に握った
「さぁ、ギフさん、大ボスの登場ですよ」
フィルンも・・・・・特に何もしてない・・・・・
「あれー?エリアルさんがぼろぼろー」
と言いつつも何時もの数十倍真剣な目つきでデルタを睨んだ
そして珍しく戦闘態勢に入った!
アルディラはレンファの肩の上でぶつぶつ言っている
「行くわよ!レンファ!」
「行くわよ!アルディラ!!!」
「よーし!、ここは力をあわせてがんばりましょう!」
「何よ!レンファ!命令しないでよ!」
「何よ!アルディラこそ命令しないでよ!」
カミュの話は無視された・・・
「ひどい・・・・」
タトラは冷や汗をかいていた
「わ、わ、私・・・役にたてるのかしら!?」
目の前の強大な敵
今まで戦った事の無い敵
そんな敵を前にしてタトラは緊張しまくっていた
「スティンお姉ちゃん・・・もう逢えないかな・・・」
良くない事も考えてしまっていた(−−;

ポリアンサがピスキーの横にくる
「ぽりあんさちゃん!?」
「ピスキーさん・・・・・」
「ぽりあんさちゃん・・・・」
「ピスキーさん・・・・・」
「ぽりあんさちゃん・・・・」
「ピスキーさん・・・」
「シツコイ!!!!」
ポリアンサは二コリと微笑んだ
「うふふ、それでこそピスキーさんですわ!」
「あははは・・・・はぁ・・・・ぽりあんさちゃんの相手は疲れるん・・・」
「ここで気持ちが沈んでいたら駄目です!」
「!?」
「目の前の強大な敵に打ち勝つには、己の意識の向上も必要なんです!」
「ぽ、ぽりあんさが真面目な事いってるん!?」
「そして!必ず勝てると言う信念!!」
「頭でも打ったん!?」
ぽりあんさは少しこけた
「し、失礼ですぅ・・・・ピスキーちゃん・・・」

★☆★☆★☆

ガシャーン!!!
デルタの攻撃がマーシャルの鎧にヒットした!
「キャーーーー!」
マーシャルはすごい勢いで弾き飛ばされる
エリアルはおもわず叫んだ
「まさる!!!」
デルタが大声で怒鳴った
「伝説の武具と言えども人間が扱えばこんなものだ!」
「お前らでは私には勝てない!!!!」

「キャーー!」
マーシャルは空中をすごい勢いで飛んでいた
そして内壁に激しい勢いでぶつかる!!!
瞬間にギフが受け止めた
「まさる、大丈夫?」
「パ、パパ・・・・・」
マーシャルはギフの腕から降りると深呼吸をした
「すーはぁすーはぁすーはぁ」
「うなーーー!」
「よし、まさる!デルタを封印するぞ!」
「でも・・・デルタに本当に勝てるのかな?」
「まさる、大丈夫お前ならできる!伝説の武具に認められたのだから」
「うん」
マーシャルは再び剣を構えた

★☆★☆★☆

エリアルは魔法を詠唱していた
最後の力を振り絞って
これまでの激しい戦闘でエリアル自身は限界まで来ていた
「これで・・・効かないと・・・俺はもう駄目かもな」
エリアルは地面に巨大な魔方陣を描く!!!
「俺の最大の呪文だ!デルタ!受けてみろ!!!」
「禁術!時空魔法!メテオストライク!!!」
その瞬間に天井が激しく揺れた
そして激しい地震が全員を襲った
「馬鹿め!ここまでメテオが届くわけなかろう!!!」
デルタはエリアルにフォクサーを突き刺す!!!
フォクサーはエリアルの右胸に突き刺さった!
「ぐふ・・・・」
エリアルは吐血し、その場に跪いた
「えりりん!」
マーシャルが叫ぶ
「エリアル!」
ギフもまた叫んだ
そしてシリウスやカミュ達も叫んだ

★☆★☆★☆


跪いたエリアルにデルタは容赦をしない
「エリアル・・・まずはお前がここで最初に死ね!」
デルタはデルタアックスを振りかざした!!!
そして振り下ろす!
「グリア・・・・いぴ・・・・今行く・・・・・」
エリアルは死を覚悟した
だが、その瞬間にエリアルのバンタナが激しく光る!
「え!?」
そしてバンタナは光の塊となり、デルタの体へと吸い込まれた
デルタの体から白い光が放たれる!!!
するとデルタの動きが完全に停止した
《お父さん・・・もう・・・止めて・・・・》
「グ、グリア・・・な、何故邪魔をする・・・・・」
《お父さんが間違っているから・・・》
「私は間違ってなどいない!!!」
《・・・・もう・・・・終わりだよ・・・・・》

ギフが叫んだ!
「今だ!!!」
「デルタ!覚悟!!!!」
シリウスがアイスハンダーを抜き、すごい勢いで懐に走りこんだ!
ブシューー!!!
シリウスの剣がデルタの横腹に突き刺さる!

「エリアルさまを苛めるのは僕の役目だ!」
フィルンは魔法を詠唱した!
そしてデルタに氷の結晶が降り注いだ!!

「行くわよ!アルディナ!」
「ちゃんとやってよ!レンファ!」
「失礼ね!あんたこそやんなさいよ!」
「あんたもね!」
カミュは仲介に入った
「戦闘中です!喧嘩しないで・・・・」
だが二人は無視をして呪文を唱えた!
『火蓮竜撃穿!!!!』
アルディナとレンファの魔法が放たれる!
火炎は竜と化してデルタに向かう!!
そしてデルタに炸裂!!!
デルタの鎧には無数のひびが入った

「うーん・・・・僕もがんばろう・・・」
「いくぞ!デルタぁぁぁぁぁ!!!」
カミュは魔法を唱えた!
そしてカミュの剣は青い光に包まれる!!
「食らえ!!!!」
カミュの魔法剣でデルタを鎧ごと斬りつける!
グシューーー!!!!
「手ごたえあり!」
「デルタの左腕がぼとりと地面に落ちた」

タトラが微妙に攻撃魔法を唱える!
「えっと・・・えっと・・・・」
「えええええええええええええええい!」
なんだか解らない魔法が放たれた(((
だがその魔法は一筋の閃光となりデルタを貫通した!!
「え?何?この魔法・・・」

ポリアンサは火炎魔法を唱える
「ぴすきーちゃんを苛めた罰!!!」
ポリアンサの杖から炎の渦がデルタ放たれた!!
そしてデルタは激しい炎につつまれた!

そして・・・・・
「まさる!私の力を託す!」
「行け!!!!!!」
ギュイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!
ギフは自分の力をマーシャルに注入した!
「デルタ!死んじゃええええええええええええええ!」
ブシューーーーーーーーーーー!
マーシャルは光り輝く剣をデルタに突き刺した!!!!
それと同時にデルタの体に異変が・・・
「グォォォォォォォ」
だんだんとデルタの体がぼろぼろになってゆく・・
「この・・・・私が・・・・・人間・・・・ごときに・・・・・・」
デルタはゆっくりと崩れてゆく・・・
「倒される・・・・と・・・・・・」
ガラガラガラ・・・・
デルタは崩れ落ちた

「ふう・・・・・」
マーシャルは数歩後退した
そして、力の抜けた声で言う
「た、倒したの?」
ギフは答えた
「ああ、倒した・・・・」
「ふう・・・・」
マーシャルは地面にへたりと座り込んだ

★☆★☆★☆

ギフの目にエリアルの姿が映る
「エリアル!」
ギフはエリアルの元へと走った
その時
グォォォォォン!!!!
「何!?」
デルタの体から怪しい物体が現れた!
「しまった!これは!!!」
ギフは叫ぶ!
そう、デルタは魂を幽体化して逃げようとしていた
これは・・・・
そう、グランの時と同じ・・・・

「ワレハシナン・・・・フタタビ・・・・」
「ソシテオマエラヲコロス・・・」

ゴゴゴゴゴゴオ!
地鳴りが部屋の中を響く!
そして!
グォォォォン!!!!!!
ドガーーーーーン!!!!
グシュ!!!
「グエェェェ・・・・・・・・」
激しい爆音が響いた
そして幽体化したデルタに唯一貫通してきたメテオ(隕石)が命中したのだ
幽体化したデルタは隕石の威力によって粉々に飛び散った

 「・・・・・・・・」
シリウスはゆっくりと剣を収めた
 「ついに・・・・デルタを・・・・・」

ピスキーもデルタの最後を見届けていた
そして横にいるイピリアに言った
「いぴ・・・・皆が、皆が敵を取ってくれたんよ・・・」
「もう・・・大丈夫なん・・・・・」

★☆★☆★☆

エリアルは自分に刺さった剣を抜いた
そしてふらふらと前進した
デルタの鎧の崩れた跡に赤いバンタナ
エリアルはそのバンタナを拾い上げた
「今度も・・・・助けられた・・・・・」
エリアルは今度はゆっくりとイピリアとピスキーの方へと歩き始めた
エリアルの右胸からはぼたぼたと血が滴り落ちている
「エリアルさん、回復を!」
レンファが慌てて側に走った
だがエリアルは立ち止まる事なくイピリアの元へと進む
「エリアルさん・・・・・」
エリアルはゆっくりとイピリアの横にしゃがんだ
そしてイピリアに言った
「いぴ、ごめんな・・・」
「痛かっただろ?守ってやれなかった・・・」
「ごめん・・・いぴ・・・・・」
エリアルの目から一粒の涙がイピリアに落ちた
その時!
エリアルの手にあったバンタナが再び光を放つ
その光は先ほどの光とは違う
ほのかに暖かい光
そしてその光を浴びたエリアルの傷口が塞がった
光はイピリアの上へと移動する
そしてゆっくりとイピリアの体へと吸い込まれていった
・・・・・・・・・
・・・・
「うーん」
「え!?」
ピスキーは動揺した!
死んだはずのイピリアが声を出したのだ
そして見る見るうちに顔色も戻ってゆく
「い、いぴ!?」
ピスキーはイピリアを抱え上げた
すると
ピスキーの胸の中でイピリアがゆっくりと目を開いた
「うーん・・・・・お、おねーたんでふか・・・・・」
こくくくくく
ピスキーはぼろぼろと涙を流しながら頷いた

★☆★☆★☆

《エリアル・・・》
エリアルの耳元で声が響く
《エリアル・・・・》
《私よ・・・・》
エリアルは、はっとした
「グリア!?」
《うん・・・・エリアル・・・・》
「グリア!何処かで生きてるのか?」
《ううん・・・私はもうこの世にはいない・・・・》
《・・・最後のお別れを言いに来たの》
「え!?」
《エリアル・・・・あなたを任せられる女性が現れた・・・・》
《もう、私は安心してこの世を去る事が出来る・・・》
「何?安心できるって?まってくれ!」
《エリアル、あなたも気がついているでしょ?》
《虹蛇の女の子・・・エリアルをどれくらい想っているのか》
《そしてエリアルにとっての存在感》
「だけど、イピリアは俺の使い魔だし、5歳」
《エリアルは何時もそうだよ・・・年齢や立場なんてどうでもいいじゃないの》
《あなたを必要とする人であり、あなたが必要だと想う人であれば》
「・・・・・・・・・」
《私の最後の魔力を彼女に託しました・・・・》
《これで本当のお別れです・・・・・》
「いやだ!なんでだよ!」
《私はエリアルに言ったはずよね、生きてと・・・・・》
《それは今を生きる、そして未来を生きる・・・》
《過去を振り返らないで・・・・・》
「でも・・・・・」
《大丈夫・・・あの時とは違う・・・・》
《エリアルはもう1人じゃないのだから・・・・》
「グリア・・・」
《今のエリアルはとっても素敵、あの時よりも生き生きとしていたし》
《ちっと嫉妬しちゃうくらい・・・・・》
《これからもがんばって・・・そして幸せになってね・・・・》
「・・・・・・」
イピリアがピスキーの胸からゆっくりと床に下りた
「いぴ?何処いくん!?」
イピリアはエリアルの横に歩いた
そしていきなりエリアルに抱きついた
「えりあるさま・・・いぴりあはえりあるさまが大好きでふ!」
《イピリアさん、エリアルを宜しくね・・・》」
イピリアはこくこくと頷いた
《イピリアさんが正直羨ましいな・・・でも・・・本当に幸せに・・・》
「うん・・・わかったでふ・・・」
《それじゃね!エリアル!!!!》
「あ、待ってくれ!!!」
だがもう声は聞こえなくなっていた
「えりあ・・・・・・・・・」
その瞬間にイピリアから激しい光が!!!
ギュイイイイイイイイイイイイイイン!!!
そしてゆっくりと光は収まった
すると・・・・・
エリアルの、目の前には裸の女性が立っていた
「ぶ!」
目の行き場を失うエリアル
そして仕方なく自分のマントを差し出す
「こ、こ、こ、こ、これ!」
女性はマントを纏うと言った
「エリアル様?イピリアです」
エリアルは衝撃を受けた
周囲のメンバーもすべて驚きを隠せない
先ほどまであんなに小さかったイピリアが・・・・
目の前にいる女性はどうみても20歳くらい・・・
イピリアは5歳・・・
これは!?
それはグリアの魔力とエリアルのかけた魔法が干渉して
イピリアの体質に変化が起こったからだった
そしてその変化とは・・・
魔族の力がイピリアに宿り、完全に人間体となった
そして姿はグリアの亡くなった年齢になったのだ
「なんか・・・自分じゃないみたいです!」

★☆★☆★☆

あれから数年後・・・
「おめでとー!」
「エリアルさぁん・・・・エリアルさんはぁ・・・ロリ・・じゃなくなったんだぁ・・・」
「おめでとう!えりりん!」
「お似合いなん・・・グスン・・・」
「お前も所帯持ちか?あははは!」
「おめー!!!」
エヴェイユの街では盛大な結婚披露宴が行われたと言う
花婿はエリアル、そしてもちろん花嫁は・・・・・

終わり


































「エリアル様♪イピリアは幸せす・・・」
「様はよしてくれ・・・なんか言われそうだ」
「でも・・・・私はエリアル様の使い魔ですよ?」
「馬鹿!あの時にすでに使い魔の契約は切れてるんだよ!」
「え!そうなんですか?」
「うむ・・・・」
「じゃぁ遠慮なくいっていいんですね!!」
「いや、少しは遠慮してくれ・・・」
「うふふ」
「な、なんなだよ」
「かわいい♪エ・リ・ア・ル」
「ぶ!」

本当の終わり


執筆後記
裏小説へようこそ(え
なんか今まで書いた中で一番長い小説になってしまいました
時間ももちろんかかってますがね
あいも変わらず誤字脱字です(−−;
でも・・・今回はなんとハッピーエンド!
巣晴らしとは思いませんか?
ただ・・・リリアは女神になってしまいましたがね
3姉妹のメドゥサも死んでますし
あ、言っておきますがこれは架空未来です
今現在の小説の本当の終わりはこのようになるかは解りません
事実・・・・構想段階で止まってまする・・・
この小説はこうなったらどうなんだろーって思った小説で
結構書きやすいんですよね
前を気にしなくてもいいし
でもまぁ
エリアル・・・幸せになっちゃっていいんでしょうか?
であであー

ぎふ








   BACK
 
NEXT
 

 
inserted by FC2 system