旅立ちと出会い 2
 1 ・2

グラン塔を旅立ってからもう何日がたったのであろうか・・・・
リムライムは別の大陸にあるディーンという国を目指していた

リムライムは今年で12歳になったばかり
髪の色は黒で瞳は緑、首には紅いバンタナを巻いている
背中にはどこかで見た事のある魔弓を抱えていた
リムライムはもともとこの時代の人間?ではない
元は今から30年先の時代からやってきた女の子である
ある事件をきっかけにこの時代へと転送されてしまったのだ
元の時代に戻る方法は・・・・
まだ判っていない
だがリムライムは持ち前の明るい性格でいつかは戻れると信じて今日も生きていた

そんなリムライムがディーンを目指している訳があった
まだ時代をさかのぼる前・・・・・
発端はザルツマン(塩)がリムライムに話してくれた話・・・・
リムちゃんのお父さん(エリアル)は実はディーンという国で活躍してた時代があった
そしてザルツマンもディーンに行った事がるある
ディーンのある大陸で色々な経験も出来てよかったと
リムライムはその言葉をふと思い出したのだ
どうせこの時代に来たのだから、パパと塩おじさんが行った国に行きたい!!!
思った矢先に行動を起こすのがリムライムだ
リムライムは今までお世話になったピスキーにいきなりディーンに行くね!と言うと
荷物をまとめて家を飛び出したのだ・・・・

そして数日がたって気がついた
ディーンってどこよ!!!
聞いてなかったのである・・・・
なせばなる!なさねばならぬ!がモットーなリムライムは取り合えずなんとかなると
甘い考えを起こしそのまま旅を続けていた・・・・

「うーん・・・・そろそろディーンって国かと思うんだけどなぁ・・・・」

噂を頼りに船に無銭乗船をしたりしてなんとか辿り着いた大陸
とある港町でうろうろしていた・・・・
そしてリムライムは一人の男の子を発見する!
男の子は小柄で、顔や腕に青っぽいあざがる
グラン塔では見かけない感じの男の子だ

「ちょっと!そこの男の子!」

黒髪の男の子は何?僕の事?という表情でリムライムを見た

「そうそう!君!」
「聞きたい事あるんだけどさ!」
「ディーンって何処!?」

男の子はディーンと聞いた瞬間にえ!という表情を浮かべた
周りの人々もすごい眼差しでリムライムを見ている
リムライムは一瞬にして変化した回りの空気を感じ取った

「な、何!?私悪いこと言ってないわよね!?」
「何よ!この変な空気わっと、ちょっと手を引っ張らないでよ!」

「おねーちゃん!ちょっと!!」

男の子はリムライムの手を引っ張ってわき道へと連れ込んだ!

「およよよ・・・・」

男の子は息を切らしながらリムライムに言った

「はぁはぁ・・・おねーちゃんここ何処だか知っててそんな事いってるの!?」

「そんなの知らないに決まってるでしょ!」

男の子はため息をついてリムライムを見た

「ここはね・・・ラオネスクっていう国なんだよ」
「今この大陸では戦争中だからむやみに他国の名前を叫ばない方がいいよ」
「まだ直接戦争には突入してないけど、あまり良い感じでは見られないし」

リムライムはわかったようなわからないような表情で言った

「ラオネスク?戦争中?じゃここはディーンじゃないのね?」

男の子はこくこくと頷いた

「わかった?おねーちゃん」

リムライムはあまり理解していなかった

「とりあえずここはディーンじゃないと理解したわ!」

男の子はこれ以上の忠告は無駄だと感じた

「もう用事はないよね!じゃ僕は兵士に仕官にいくとこだからまたね」

「ちょちょちょっとまって!」

リムライムは男の子の手を持って引き止めた

「な、なんだよ!」

リムライムは男の子に言った

「今なんて言った?」

男の子は平然と答える

「兵士に仕官」

リムライムは驚いた

「ちょっとまって!どうみてもあんた子供じゃん!」
「勉強しなくてもいいの!?家の人は心配しないの!?」

男の子は首を傾げた

「この世界では7歳から兵士になれるし、兵士になって勉強を学ぶんだよ」
「まぁ7歳になってすぐに兵士にならなくてもいいんだけどね」
「うちは貧乏だから授業料もかからないし報酬ももらえる兵士がいいんだ」

リムライムはニヤリと笑うと男の子の首に手を回した

「ふうん・・・じゃ・・・おねーちゃんと一緒にディーンで仕官しよう!」

男の子はびっくりした表情でリムライムを見た

「えええええええええええ!」
「なんで態々ディーンまで行かないと駄目なの!?」
「それに僕は・・・・・」

「うがああああ!うるさい!行くと行ったらいくの!」
「引っ張ってでも連れてくからね!」

男の子は動揺した表情でリムライムを見た

「そんな・・・・強引な・・・・・・」

リムライムは本当に男の子を引っ張りだすとディーンに向かって歩きはじめた

「山〜をこーえーゆこーうよー♪」

男の子は泣きながらリムライムに引っ張られて行った・・・・・

********************************

ここはディーンとラオネスクとの中間地点マノンの街
リムライムは突然止まると男の子に言った

「私リムライム!よろしくね!」

いきなり挨拶をするリムライム
男の子は唖然とした表情でリムライムを見た

「おたまじゃくしの痣のある男の子!名前は!」

「Σ」

男の子は怒りながら言った

「おたまじゃくしじゃないやい!!!」
「これはアクアラって種族にでる由緒正しき印なんだよ!」

リムライムは男の子のほほをつんつんとつついた

「つっつくな!」

「へぇ・・・アクアラかぁ知らないなぁ・・・・・」
「ここは知らない種族もいっぱいなんだぁ」

男の子はリムライムを見上げて言った

「僕の名前はピスク!竜術士を目指してるんだ!」
「大きくなったらすごい竜術士になるんだ!!!」

リムライムは蔑んだ目で子供を見た

「子供のくせに・・・・」

「Σ」

「おねーちゃんだってまだ子供じゃないか!!!」

鋭い突っ込みがリムライムに炸裂した!

「う・・・・わ、私は大人よ!!」

「うそつき!胸もないくせに!」

ガーン!!!!
リムライムにとってクリティカルブレイクな言葉だった

「うぇぇぇえん」
「いいじゃないの!そのうち成長するわよ!ほっといてよ!」

低レベルの口喧嘩が数十分続いた

「ぜぇぜぇ・・・7歳児・・・やるわね・・・・・」

「はぁはぁ・・・おねーちゃんこそ・・・・」

「ぜぇぜぇ・・・・わ、私はリムて呼び捨てでOKよ」

「はぁはぁ・・・・・じゃ僕もピスクでいいよ」

「無駄な体力を消耗したわ・・・いくよ!ピスク」

「そうだね・・・いこっかリム」

何故か意気投合した2人はディーンへと向かって再度歩き始めた

****************************

ここはディーンの街、元老院の前
男の子と女の子が扉の前に突っ立っている・・・・・

「こ、ここがディーンね!!!」

「みたいだね・・・・」

「こ、ここに入って志願するのね!!!」

「みたいだね・・・」

「は、入ってもいいのかな・・・・」

「どうなんだろうね・・・・」

「うきーーーーーー!ちゃんと考えて答えてよ!」

「考えても同じ答えだと思うよ・・・・」

「うきーーーーー!」

その時!
バタン!!!
元老院の扉が勢いよく開いた!

「うぇぇぇん!楽貴さんの馬鹿ぁ」

何かを叫びつつ中からすごい勢いで飛び出してきた飛翼族の女性
女性の髪は金色で、飛翼族特有の白い翼には色々な色のインクがついていた
良く見ると腕にはDPといった腕章がついている・・・・・
そして何故か片手には茶碗蒸し・・・・・

「え!?何」

リムライムとピスクは驚いてしまい、その女性をよける事が出来なかった
そしてその女性は元老院の扉の前にいた男の子と女の子を勢い良く弾き飛ばしてしまった!

ドーン!!!!

「きゃ!」

「うわー!」

2人は勢いよく元老院の前の道に転がった

「え?今にぶつかったような・・・・・」

飛び出してきた女性は目の前の道に転がっている2人の子供を発見した。

「あ!!!!ああ!!!」

女性は今何が起こったのかをようやく理解した
そう、子供を突き飛ばしてしまったのだ・・・・
女性は思った
やばいなぁ・・・こんな所を誰かに見られたら何を言われるか・・・・
その前に子供を起こしてあげなきゃ・・・・
あーあ・・・・2人とも気を失ってるし・・・・・
そんなに強くぶつかったかな・・・・
まぁそんな事考えても仕方ないや・・・・
女性は元老院の前にある2段の石段を飛び降りるとまずは男の子の側に行った
その時!元老院の扉が開き、中から一人の男性が出てきた

ドタン!!!

「シルファさん!誤解だよ!誤解って?あれれ???どうしたの???」
「何してるの?」

どうやら慌てて出てきて子供達を突き飛ばした女性はシルファという名前らしい

シルファは額に少し汗をかきながら今出てきた男性の方を振り向いた

「う・・・・・」(かなりやばい
「楽貴さん・・・・いや・・・・・これには訳が・・・・・」(どう言い訳すれば・・・

楽貴と呼ばれたコロンの男性は少し小柄だが体格はしっかりとしており、はではでしい
虎模様の服を着ている。
どうやら先に出てきたシルファという女性と知り合いの様子だった

「シルファさんは優しいなぁ!行き倒れになった子供を助けてるなんて!」

(どて・・・・シルファは心の中でコケタ
シルファは思った
楽貴さんがすこしお馬鹿で助かった・・・・・(おぃ

「僕も手伝いますよ!」

そう言うと倒れている女の子の所へと歩き始めた

「あ、ありがとう・・・・」(まぁいいか・・・・・

シルファは苦笑いを浮かべながら男の子を起こした

「大丈夫かな?怪我はなかったかな?」

男の子は気がついたらしく、ゆっくりと瞼を開く

「うーん・・・・・」

「あ!気がついた!よかった!」

シルファは満面の笑みを浮かべて男の子を抱きしめた
男の子は何かあったのか理解できなかったが、わかっているのは今女性に抱きしめられて
いるっていうこと・・・・・・
なかなか心地よい・・・・・

「あ、ありがとうございます。大丈夫です。」

男の子は照れながらもお礼を言った

「そうそう!君の名前はなんていうの?」
「君は何で元老院の目の前に立っていたの?」
「君の目的は?」
「種族は?あ、アクアラかな?」
「えっと、年はいくつなの?」

シルファはいつもの癖かすぐにインタビューに入った(え
男の子は困った表情を見せながらもシルファの問いに答えてゆく

「僕の名前はピスクです。」
「目的はそこで倒れているリムにディーンで士官をしようと唆され・・・」
「あと年齢は7歳です」

シルファは思った以上の年齢の若さと、仕官に来たとい理由に驚いた

「え!?仕官?君まだ7歳だよね?確かに7歳から仕官できるけど・・・・」
「わかった!きっと何か理由があるのね!」
「よーし!僕が面倒みてあげるから!!!任せて!!!」

シルファはピスクの面倒を見ると勝手に決めた(え

その時!!!

楽貴の叫び声が聞こえた!!

「ギャー!殺されるよ!」

シルファは思わず楽貴の方をみた
するとリムという女の子が楽貴に向かって弓を引いている

「な!?何してるの!?」

シルファは現状をみて思わず驚いてしまった
横にいたピスクは呆れ顔でリムライムの方を見ている
楽貴はゆっくりと後ろに下がってゆく・・・・

「まって!話せばわかる!」

リムライムは怒り沸騰で楽貴に向かってゆく

「イキナリ私の体に触ったでしょ!イヤラシイ!許さないから!」

楽貴はリムライムを助けようとして起こした
その瞬間にリムライムが目覚め、リムライムは何か勘違いをしたらしい

「いや、だから君を助けようとしただけで!!」

「駄目!その目は嘘つきでしょ!」

「えぇ!そんな目してないよ!」

「いいえ認めません!」

楽貴は思った
このシチュエーションはどこかで・・・・・
あとあの弓も見覚えが・・・
えっと・・・・
どこだっけ・・・・・・
うーん
・・・
それは数日前・・・・
元老院にて・・・
「楽貴!1回死んでみるといいよ」
楽貴の目の前で弓を引く一人の男・・・・
弓・・・
ああああ!!!
楽貴は何かを思い出した!

「ちょっと!その魔弓はエリアルさんのじゃ!?」

その言葉を聞いたリムライムはきょとんとした表情で楽貴をみた
そして構えていた弓をゆっくりと戻す

「おじちゃんってパパの事を知ってるの?」

「おじちゃん・・・・おじちゃんじゃないよ・・・・僕は楽貴っていうんだ」
「っていうか!パパって何!!!!!エリアルさんがパパ!?」

リムライムはこくりと頷いた

「!??!?!?!計算が合わない!」(何の計算だ!
「僕が17歳で・・・君はどう見ても12歳くらい(@@」
「世界7不思議の1つだぁぁぁぁぁぁ!!!」

ピスクとシルファは2人のやりとりを見ていた

「え!?リムちゃんってエリアルさんの娘なの?」
「じゃピスク君はエリアルさんの息子?」

ピスクはがっくりと肩を落としながら首を横に振った

「あの・・・僕エリアルさんって知らないです・・・・」
「リムと出合ったのもつい先日だし・・・・」

「そっか・・・・いや、僕はエリアルさんを知ってるから・・・・」

「そうなんですか?じゃリムのパパはこの国にいたんですか」

「いたもなにも・・・・君達と入れ替わりで戻っていったんだよ!?」
「セレスって女性と一緒にグランって国に戻るって・・・・」

「えぇぇぇ!そうなんですか!?」

「じゃリムって何を考えてここに!?!?」

「知らない・・・・でも!」
「これはスクープの匂いがする!!!」
スクープを目の前にシルファの目は輝いていた・・・
(その前に楽貴との喧嘩はどうなったんだ!!!
シルファは2人の所へと歩き出した・・・・

終わり?(つづく?(いやしらん

事情を知らない人にとってはリムライムの行動・存在は疑問だらけである
そんなこんなでその後無事に元老院の門をくぐった2人
これから2人は女神の国ディーンで共に戦う事となる
数多くの試練を多くの仲間と共に生き抜いてゆくのだ
リムライムは果たして元の世界に戻れるのであろうか・・・・


最後にリムライムにインタビュー(え

「あなたの名前は?」
「リムライムよ!」
「その名前は気に入ってますか?」
「別に?普通じゃない?」
「ママは好きですか?」
「ちょっとお間抜けだけど大好きです!」
「パパは?」
「嫌い!すぐ怒るし!!」
「今の目標は?」
「ディーン美女軍団に入る!」
「何か言いたい事はある?」
「いっぱいある!!!今から全部言ってやるから!」
「ありがとうございました・・・以上で終了です」
「あ!まだ何も言ってないじゃないの!ちょっとま・・・ぷち」
終了(何






   BACK
 
NEXT
 

 
inserted by FC2 system